くらしをつくる人NOTE

Vol.8
2017.6.28
ガラス作家 おおやぶみよさん

デイリーで使うものを

みよさんの作品は気がつくと毎日使ってしまう、使い心地のよさが最大の魅力。
シンプルで優しくて、どこか懐かしさもあって。

こんなに魅力的な作品はどのようにして生まれるのか。
その秘密を伺います。

金子「みよさんの作品は、ついつい毎日使ってしまいます」

おおやぶさん「デイリーに使ってもらえるのが一番嬉しいです。
うつわはものが入って100%。例えばプレートなら料理を盛り付けてようやく100%になる。飾っているのが一番というのは、ちょっと違うなと思っています」

金子「入れるものがあってこそのうつわということですね」

おおやぶさん「何に使おうかなあ、何を入れようかなあと使う方が想像できるようなうつわ作りができれば良いなあと」

金子「色があまり入っていないシンプルな作品が多いと思いますが」

おおやぶさん「食卓には陶器だったり、木だったり多種多様な素材が並びますよね。そしてその上には様々な食材が盛り付けられる。他との組み合わせを考えるとやはり派手すぎず他のうつわとも合うものが良いと思うので、シンプルな作品づくりを心がけています」

ギャラリー 日月-hizuki-

沖縄県読谷村にある、おおやぶみよさんのギャラリー「日月-hizuki-」は連日県内、県外問わず沢山の方が作品を求めて訪れています。

独立当初から古い食器やカトラリーにも合う質感のガラスを目指して制作されている、おおやぶさんの原点とも言える場所。
自然光がたっぷり入るウッドデッキには、ガラスのオブジェが並んでいます。

金子「アンティーク食器にも合うものを目指して制作されているのは、独立した時からですか?」

おおやぶさん「元々、質感として古いものが好みなんです。ピカピカなものが苦手で。いま使っている素材も鈍い感じでトロミがある。クリアのガラスも良いけれど自分のライフスタイルに合うのは、こういった落ち着いた色みなんですよね」

金子「みよさんの中でのガラスの魅力とは何でしょう?」

おおやぶさん「光を通すということ。そして素材を透けて眺められるのは、ガラス独自の魅力だと思います。それってとても贅沢なことですよね。光が通った時の表情や素材の色みを通すことを意識しながら制作しています」

3/5
光と夕刊とガラス