くらしをつくる人NOTE
2016.06.08
飾るものから使うものへ
雨晴「独立当初から現在に至るまで、作品作りに対する気持ちの変化はありましたか?」
和彦さん「最初の頃は人を“驚かせたい”っていう気持ちが強くて、そういうものを作っていました。それが段々と自分たちが“使いたい”と思うものを作ろうと変化してきたんです」
雨晴「逆に変わらないことはありますか?」
和彦さん「潔い、くらしの名脇役を作りたいということでしょうか。最初は家具や盆栽に敷くトレイなどを作っていましたが、いまは食器など使う道具も製作しています。どれも別に主役となるものがあってはじめて成り立つ道具です。そのものがあることで心地よい空間が生まれる。そういうものを作り続けたいですね」
雨晴「最近では、フレンチレストランやお鮨屋さんなどの飲食店でも下尾さんの作品を拝見する機会が増えました」
和彦さん「いままで、こういった木製の食器は、プロユースでは敬遠されがちだったのですが、最近はレストランからのオリジナル食器製作の相談を受けることが多くなりました」
雨晴「和洋問わず、料理を受け止めてくれる素敵なうつわだからですね」
下尾さんの道具
この写真、何だと思いますか?
下尾さんが作品を作る時にできた木の粉なのです。
Shimoo Designの作品は、そのほとんどが「タモ材」を原料に製作されています。
無垢の状態から、ベルトサンダーを用いて削り出し、二人で決めた心地よいラインを出すことに集中しながらものづくりを行っています。
着色や塗装までをこのアトリエでこなし、仕上げの過程を経て一枚の木が美しい道具へと生まれ変わるのです。
下尾夫妻の手
下尾夫妻の手です。
お二人ともとっても柔らかそうで優しい印象です。
なんだかちょっと似ていますよね。
独立当初の大変な時期から互いを想い、手と手をとりあってきたからこそ、この優しさ溢れる手の表情になったのかなあと今回お邪魔して思いました。
切磋琢磨しながら、自分たちにとって心地のいいくらしを作る下尾和彦さん、さおりさん。
最高のご夫妻です!
Shimoo Design×雨晴
「雪花が舞う頃に」
会期:2017年11月23日(木・祝)〜12月10日(日)
Shimoo Design在店予定日
11月23日(木・祝)、11月24日(金)、11月25日(土)、
11月26日(日) 、12月9日(土)、12月10日(日)
しんしんと雪花が舞い散る時季に人と集い語らう愉しいひととき。
自然の素材から生み出されたShimoo Designの食のうつわやお茶の道具と共に過ごす心地よい時間をご提案いたします。
Shimoo Design×雨晴
「雪花舞う日のお茶遊び」
会期:11月25日(土)14:00~16:00
11月26日(日)14:00~16:00
下尾和彦さん、さおりさんの在店日にお抹茶の振る舞いをいたします。
浮様仕様の特別な立礼卓でさおりさん自らお茶を点てて皆様をおもてなしいたします。
Shimoo Designと雨晴が考える日常の中でのお茶遊びの時間を是非お愉しみください。
下尾和彦 下尾さおり
Shimoo Design
- 1998年
- 工芸都市高岡クラフトコンペグランプリ
- 2000年
- 工芸都市高岡クラフトコンペ審査委員賞
- 2001年
- 工芸都市高岡クラフトコンペグランプリ(二度目)
- 2002年
- 工芸都市高岡クラフトコンペ銀賞
- 2003年
- 工芸都市高岡クラフトコンペ奨励賞
- 2004年
- 朝日現代クラフト 招待出品
- 2005年
- 松屋銀座 DESIGNER'S CATALOGUE-11
- 2006年
- MILANO SALONE「ARMANI TEATRD by wall paper
- 2008年
- ハイアットリージェンシー東京[ミッシェル・トロワグロ]
(ブレッドトレイ、アミューズトレイ、デザートトレイ)を製作
- 2008年
- 寿月堂パリ店 地下ギャラリー(CHAJOKU)立礼卓を製作
- 2009年
- 「縁具」デザインディレクター(ブランディング、デザイン、製作)を担当
Photo / Bungo Kimura
Interview / Kenichi Kaneko (AMAHARE)