くらしをつくる人NOTE
2016.06.08
Shimoo Designができるまで
雨晴「お二人はいつから、木工作家になることを志したのでしょうか?」
和彦さん「自分は木工作家になりたいと最初から思っていたわけではなかったんです。ものを作ることが好きだったので工芸科のある高校に入学しました。漆器、鋳物、木工から科目を選択する必要があり、なんとなく“木工”を選びました。父が鋳物の原型師だったので、鋳物をやるなら父に聞けば良いなと。
残る漆器と木工なら、どちらかといえば木工かな。そんな感じです。その後、進んだ短大でも木工の作品を作りました」
さおりさん「私も同じ短大に通っていて、そこでおかずさんと出会いました。いっつも遅刻してきたりするから、この人、大丈夫かなあと思っていたんですが(笑)。
作品を作ると、なんかすごいものができあがるんですよ。卒業制作が特に素晴らしくて、椅子の一生というタイトルで同じ椅子が人の成長と共に変化していくという作品でした」
和彦さん「短大卒業後、自分は飛騨高山にある家具の工房に勤めました。決められた図面を見ながらひたすら家具を作る仕事です。いわゆる和の家具というよりは、ジョージナカシマのようなモダンな家具を製作する工房でした」
さおりさん「私は、純和風の住宅を手がける工務店の中で家具職人として勤めていました。古民家の移築を請け負うような工務店でしたので、作る家具も日本を感じるものばかりでした」
雨晴「いつ、独立をしようと決めたのですか?」
和彦さん「26歳の時ですね。いま考えると恐ろしいです。勤め先をやめて、アトリエを自分たちで作りました」
雨晴「勇気のいる決断ですね。最初からオリジナルの作品を製作していたのですか?」
和彦さん「最初は下請けのお仕事をいただいて生計を立てていました。オリジナルの作品を作りたいという思いもあったので、独立した翌年に高岡クラフトコンペに出品したんです。そうしたらグランプリを受賞することができました」
雨晴「独立した翌年に! すごいです」
和彦さん「それで、もう下請けはやめよう。自分たちのオリジナルだけを作ろうということに」